こんにちはー レノンです!
今回は、友人や同僚に「薦めたい自動車ブランド」ランキングのお話です。
日経ビジネスが、2021年12月にインターネットで20歳以上の男女1万355人から回答を入手。直近1年間以内に利用したかどうかを確認した上で、友人や同僚に「薦めたいか」を0点〜10点の11段階で推奨度を調査しました。10点・9点は「推奨者」。6点以下は「批判者」と捉えて全体に占める「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いてスコア化。ランキングを出していました。
薦めたい自動車のブランド
日経ビジネスさんのランキングは以下の通りでした。
順位 | 車ブランド | 推奨者 | 批判者 | 推奨度 |
1位 | メルセデスベンツ | 46.7 | 19.1 | 27.6 |
2位 | トヨタ自動車 | 43.6 | 18.1 | 25.5 |
3位 | フォルクスワーゲン | 33.6 | 23.1 | 10.5 |
4位 | SUBARU | 30.2 | 27.1 | 3.1 |
5位 | ホンダ | 28.8 | 27.0 | 1.7 |
6位 | マツダ | 30.6 | 34.8 | -4.2 |
7位 | ダイハツ工業 | 24.7 | 32.5 | -7.8 |
8位 | 日産自動車 | 24.0 | 33.2 | -9.3 |
9位 | スズキ | 21.4 | 34.8 | -13.4 |
10位 | 三菱自動車 | 13.7 | 57.3 | -43.5 |
1位と2位が接戦
僕は、この結果を見て、黄色に塗った部分に注目しましたよ(笑)。
まずは、1位と2位に注目です。ブランドのランキングでメルセデスが1位というのは納得なのですが、1位のメルセデスと2位のトヨタとが接戦だったんですね。
車作りの方向性は全然違います。メルセデスは【最善か無か】のクルマ造り哲学で、高級車ラインを目指しています。トヨタは【お客様の期待を超える「もっといいクルマ」づくり、「いい町・いい社会」づくりへの貢献】で、フルラインを目指しています。
2021年ブランド別新車販売台数を見ても、メルセデスは5万1722台でシェア1.2%。トヨタは142万4380台シェア32.0%(一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ)で桁違いに全く違っています。
このように両者は全く違うようですが、そんな中、共通点もあります。それは「製品の質の高さ」と、「ものづくり哲学がしっかりしている」ことです。これが、消費者に大きな安心感・信頼感をもたらしているんだと思います。
6位のマツダは推奨者では4位
次に注目したのは、6位のマツダ。「推奨者」では4位SUBARUの30.2や、5位ホンダの28.8を抜いて4位 30.6です。ところが「批判者」も34.8と多いので9位。よって、総合的な推奨度は6位となっています。
マツダは、『スカイアクティブ技術』という世界中どこのメーカーも実現出来なかった内燃機関のレベルアップを実現させました。また、『魂動デザイン』という「人間工学に基づいた上質な走り」と「上質なインテリア&エクステリアデザイン」を全車統一で作り上げました。これが評価される部分だと思います。
実際、僕が試乗してみた時も、走り始めた途端に上質な走りを感じられましたし、インテリアも上質に仕上がっています。中古車価格も高くなっています。もう昔のマツダではありません。スカイアクティブ以降のマツダは大きく生まれ変わりました。
一方で、昔のマツダを知っている僕のようなおやじからすると、経年劣化(ヤレ)の速さや、それによる中古車市場での安値は、『マツダ地獄(=買い替える時にマツダのお店以外では値がつかないので、再びマツダ車を買わざるを得ないという状態)』という、不名誉な名前まで付いていたマツダ車ですから、お薦めにあげる気にはなりません。批判者が多いのも十分理解が出来てしまうのです。
昔のマツダ車に、2004年に発売された『ベリーサ(VERISA)』というクルマがありました。『プレミアム・コンパクト』というコンセプトの車で、装備がちょっと良いことを謳ったクルマでした。僕は、デザインが可愛くて気になったので試乗したことがあります。
しかし、乗ってみてびっくりしました。エンジンのとろさやオートマシフトのギクシャク感、乗り心地のふわふわ感、ブレーキフィールの不安感など、とても新車とは思えない出来の悪さに愕然としました。あの時の衝撃は今でも忘れられません。僕は、失礼にもマツダの販売店の人に向かって、「こんな車売っていいと思ってるの?」と言ってしまいました(笑)。
もちろん、これは昔の話です。現行のマツダ車を販売店で何度か試乗しましたが、今はしっかりした作りになっていましたよ。
マツダの評価を見ていると、自動車ブランドの良し悪しって、今、目の前にある車の良し悪しだけじゃなく、『モノづくり哲学』や長い歴史で培った『伝統』が重要なファクターであることを感じずにはいられません。
10位の三菱自動車はまだ「空飛ぶタイヤ」影響か
10位は三菱自動車でした。推奨者13.7に対し批判者57.3で、総合的な推奨度は-43.5でした。
映画になった池井戸潤原作の「空飛ぶタイヤ」。題材となったのは、2002年に三菱製大型トレーラーのタイヤが脱落し、歩道を歩いていた母子三人を直撃した死傷させた事故です。三菱ふそうバストラック(株)は整備不良といい、自らのリコールは隠蔽していました。
三菱自動車では、2000年に23年間にわたるリコール隠しが発覚し、2004年には1996年から続いた別のリコール隠しが発覚し、2012年には2005年からリコールを引き延ばしていた事案が発覚し、2016年には25年にわたって燃費データを偽装し続けていたことが発覚しています。
会社のこのような体質は、なかなか改善できないし引きずってしまうんですね。三菱の推奨者が少ないのは、売れる車が少ないのも一因とは思いますが、このような負の伝統や文化も大きく影響していると思います。
2021-2022日本カーオブザイヤーでは、三菱の「アウトランダー」が、「10ベストカー」及び「テクノロジーカーオブザイヤー」に選ばれています。「消費者のために」を考え抜いた良い車を作り続けて、負の伝統文化を打ち破っていってくれることを祈ります。
最後に
クルマって、単に『目の前にいい車を作る』ことだけではダメです。それを継続し続けることでの『伝統や文化』を大切にし、そして、どんな考えで作っているのかという『モノづくり哲学』をも含めて、3つが大切であることを自動車メーカーは知るべきです。消費者は賢く自動車の価値を見極めているんだと思います。